うしとら旅巡り

旅と「うしおととら」が好き。

初めての東北旅③岩手県・遠野

初めての東北旅②の続きです。

(2日目・夜)
東北新幹線を利用して、新青森駅から新花巻駅へ。
新花巻駅からJR釜石線で遠野駅まで移動しました。
きっちりと乗り継いで、移動時間は約4時間。
東京駅を起点とした場合も、ほぼ同じ時間がかかります。

カメラの電池が限界を迎え、駅舎の写真はへろへろに…。
かろうじて左下に、潮君が使用したと思しき電話ボックスが写っています。

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ちょうどそちらから来ましたよ、と答えたくなる幕ですね。

終電に乗ったので、自分が外に出ると同時に駅舎が施錠されました。
駅前の通りは静まり返り、人っ子一人見当たりません。車の往来もない中で、黄色の信号灯だけが音もなく明滅しています。
…よい雰囲気!
外灯もまばらな通りを歩いて今宵のお宿へ向かいます。

 

(3日目)
早朝から活動開始。
とりあえず近くの南部神社へ。裏手の山から市街地を一望。
物見やぐらの形をした展望台もありましたが、この時間はまだ施錠されていました。

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遠野。という地名がつくだけで不思議な空気を感じます。

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民話のふるさと。とされていますが、明るいお話ばかりではありません。
〇〇の××さん家でこんなことがあったよ、という怪異体験も含まれますし、苦しい農村生活が生んだやるせないお話も多々あります。
この〇〇や××が、「鷹取さん家は羽振りがいいね。きっと座敷童が居るんだよ」となれば、そのまま「童のいる家」が始まります。
日常と非日常の狭間といったらよいのでしょうか。遠野はその空気の中に、民話の世界を持っています。

鷹取家の御屋敷は、市街地より一段高い山の中腹にありました。
「山の中腹にある大きな屋敷」という設定は、千葉家をイメージしたものかもしれません。

千葉家は遠野を代表する古民家で、厩と住居が一体となった「南部曲り家」と呼ばれる造りをしています。
茅葺屋根の建物なので、作中に登場した鷹取家の造りとは異なりますが、「200年続いた豪農の家で、小高い丘の中腹にある」という点は一致しているように思います。
2016年4月から修復工事が開始され、現在は公開されていません。
工期は10年。あと8年。
ご縁があれば行きたいですね。

うしおととらの物語の中で遠野は何度も出てきますが、特定の場所を描くのではなく雰囲気が重視されているように感じます。

午後から観光バスを予約していましたが、遠野らしい風景が見たくなり、近場の観光スポットを探してみました。
遠野らしい風景といえば、やはり南部曲り家でしょうか。
厩と住居が一体となった東北地方の昔の農家。
保存された「南部曲り家」は、伝承園と遠野ふるさと村で見ることができます。
伝承園は観光バスのコースに含まれていたので、遠野ふるさと村に行くことにしました。

遠野駅から車で60分。駅前からバスも出ています。
こちらは古民家を移築して、農村の雰囲気を丸ごと保存した施設です。

こんにちは。おじゃまします。

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見覚えのある家ですね。

第九章「風狂い」に登場する、鎌鼬兄妹の家にそっくりです。
漫画が手元にある方は見比べてみてください。

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左側が厩。右側が住居。中間地点は土間と竃です。
(南部曲り家の内部については雑記帳にまとめます)

潮君がご飯を食べた囲炉裏端。

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少しずつ異なる古民家が何軒も立っています。
各家には守り人がついて、毎日火を入れて掃除をしてと暮らすようにして保っています。

馬もいます。

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花も咲いています。

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こんな橋もありますし…。

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転輪疾走。水車小屋もあります。

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旧作アニメ「転輪疾走」冒頭でぐるぐるとまわっている芯棒がこちら。
オルゴールの基盤のように周囲の木組みを押し上げます。
柱の穴に杵を取り付け、床に置いた臼をつかせることで穀物を製粉します。

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里山の風景を守るために、電線や配管も地中に埋め込むという徹底ぶり。

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静かで居心地のよい場所でした。ぜひまた遊びに行きたいです。
食事処もついていますし、予約制にはなりますが、農業体験などもできるそうです。

初めての東北旅④に続きます。