うしとら旅巡り

旅と「うしおととら」が好き。

初めての東北旅+α

初めての東北旅④の続きです。

うしおととら第八章「法力外道」の舞台となった「青葉城」は、伊達正宗が築城した「仙台城」の別名です。
立ち寄る時間が限られていたため、例の場所だけになりますが。

「我は、おまえを助けてやろう!」

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…の伊達正宗の像です。
夜はライトアップされているようです。

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この像がある高台から市街地を眺めることができます。

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ベンチもいくつかありました。

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人通りが多かったので、仙台駅周りの写真はなし。
「てれ焼きばっか」を頂いて、東北旅はこれにて終了。

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初めての東北旅④遠野めぐり

初めての東北旅③の続きです。

遠野ふるさと村から戻り、今度は早池峰バスが運行している定期観光バスを利用しました。
1日コースでお昼つき。
山口の水車小屋→カッパ淵→伝承園(施設見学とお昼ごはん)→遠野物語の館→卯子酉様→風の丘(お土産店)。

*残念ながら、早池峰バスは2017年に営業終了となりました。
観光バスの詳細はこちらです。(遠野市観光協会公式サイトにページが残っています)

『平成28年度 定期観光バス「遠野物語めぐり号」』好評運行中!|ニュース&トピックス:::遠野市観光協会

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乗車記念にバッチを一つ頂けます。
デザインは「水木しげる遠野物語」に出てくる妖怪で、自分はバスのタイヤになっている赤河童を選びました。

多少なりとも関連がありそうな場所は、「カッパ淵」でしたけれど…。
残念なことに先の台風で土砂が流れ込み、殆ど埋まってしまっていました。

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潮君が出会った河童はおそらく、看板にも書かれている「遠野物語 五十八話」の姥子淵(小烏瀬川)の河童がモデルでしょう。
実は「河童淵」と呼ばれる場所は遠野地方に複数あり、今回訪れた場所は、「土淵」と呼ばれる河童淵となります。

遠野物語の舞台については、こちらの方がとても丁寧にまとめています。
今回旅するに当たり、一部を拝見させていただきましたが…凄いですね。

遠野不思議 第二百三話「土淵の河童淵」 : 不思議空間「遠野」 -「遠野物語」をwebせよ!-

さて。遠野めぐりを終えて駅前に向かいますと、遠野まつりが始まっておりました。
偶然って面白いですね。昨夜到着した時に駅のポスターで知ったのですが、ちょうどお祭りだったのです。

無形文化財指定・遠野郷しし踊り。

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水木しげる遠野物語」の中でも触れられていましたが、…一目で惚れてしまいました。
遠野の不思議が凝縮されているといいますか、囃しに体ごと入り込みながらこの踊りを見ていると、人の暮らしと人外の世界が一体となっているように感じました。
花巻の鹿踊りとはまた違います。
詳細を知りたくなって、思わず本も買ってしまいました。|ω`)遠野市観光協会が入る「旅の蔵」で販売しています。

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2017年に遠野を再訪したのも、この遠野まつりを見るためでした。
うしおととらの世界と直接の関係はないのですが、なんとなく…なんとなーくですが、近しい何かを感じました。

遠野郷しし踊りに使う頭には、カンナガラと呼ばれるタテガミがついています。
「しし」は「鹿」を示すそうですが、遠野の「しし」は複数の獣の特徴を合わせて神格化したもののようです。
腰ざしと呼ばれる二本の棒には、「雷」を模した幣束と「太陽」を示すヤマドリの尾羽が付いています。
「刀かけ」と呼ばれる踊り手と組んで、戦うように踊ります。

遠野よりも沿岸に近い釜石では「虎舞」と呼ばれる踊りがあります。
虎は古来より「一日で千里を行く」、「火伏の力を持っている」、と言われており、漁村で信仰されていたそうです。
この日は虎舞も加わって遠野駅前で踊っていました。獅子舞に似ています。

遠野まつりについてはまた次回。
帰りがけに仙台城址公園に寄って、東北の旅は終了です。
史跡の方は閉館時間を過ぎていたため、公園内のみ散歩しました。

初めての東北旅+αに続く。

 



初めての東北旅③岩手県・遠野

初めての東北旅②の続きです。

(2日目・夜)
東北新幹線を利用して、新青森駅から新花巻駅へ。
新花巻駅からJR釜石線で遠野駅まで移動しました。
きっちりと乗り継いで、移動時間は約4時間。
東京駅を起点とした場合も、ほぼ同じ時間がかかります。

カメラの電池が限界を迎え、駅舎の写真はへろへろに…。
かろうじて左下に、潮君が使用したと思しき電話ボックスが写っています。

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ちょうどそちらから来ましたよ、と答えたくなる幕ですね。

終電に乗ったので、自分が外に出ると同時に駅舎が施錠されました。
駅前の通りは静まり返り、人っ子一人見当たりません。車の往来もない中で、黄色の信号灯だけが音もなく明滅しています。
…よい雰囲気!
外灯もまばらな通りを歩いて今宵のお宿へ向かいます。

 

(3日目)
早朝から活動開始。
とりあえず近くの南部神社へ。裏手の山から市街地を一望。
物見やぐらの形をした展望台もありましたが、この時間はまだ施錠されていました。

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遠野。という地名がつくだけで不思議な空気を感じます。

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民話のふるさと。とされていますが、明るいお話ばかりではありません。
〇〇の××さん家でこんなことがあったよ、という怪異体験も含まれますし、苦しい農村生活が生んだやるせないお話も多々あります。
この〇〇や××が、「鷹取さん家は羽振りがいいね。きっと座敷童が居るんだよ」となれば、そのまま「童のいる家」が始まります。
日常と非日常の狭間といったらよいのでしょうか。遠野はその空気の中に、民話の世界を持っています。

鷹取家の御屋敷は、市街地より一段高い山の中腹にありました。
「山の中腹にある大きな屋敷」という設定は、千葉家をイメージしたものかもしれません。

千葉家は遠野を代表する古民家で、厩と住居が一体となった「南部曲り家」と呼ばれる造りをしています。
茅葺屋根の建物なので、作中に登場した鷹取家の造りとは異なりますが、「200年続いた豪農の家で、小高い丘の中腹にある」という点は一致しているように思います。
2016年4月から修復工事が開始され、現在は公開されていません。
工期は10年。あと8年。
ご縁があれば行きたいですね。

うしおととらの物語の中で遠野は何度も出てきますが、特定の場所を描くのではなく雰囲気が重視されているように感じます。

午後から観光バスを予約していましたが、遠野らしい風景が見たくなり、近場の観光スポットを探してみました。
遠野らしい風景といえば、やはり南部曲り家でしょうか。
厩と住居が一体となった東北地方の昔の農家。
保存された「南部曲り家」は、伝承園と遠野ふるさと村で見ることができます。
伝承園は観光バスのコースに含まれていたので、遠野ふるさと村に行くことにしました。

遠野駅から車で60分。駅前からバスも出ています。
こちらは古民家を移築して、農村の雰囲気を丸ごと保存した施設です。

こんにちは。おじゃまします。

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見覚えのある家ですね。

第九章「風狂い」に登場する、鎌鼬兄妹の家にそっくりです。
漫画が手元にある方は見比べてみてください。

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左側が厩。右側が住居。中間地点は土間と竃です。
(南部曲り家の内部については雑記帳にまとめます)

潮君がご飯を食べた囲炉裏端。

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少しずつ異なる古民家が何軒も立っています。
各家には守り人がついて、毎日火を入れて掃除をしてと暮らすようにして保っています。

馬もいます。

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花も咲いています。

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こんな橋もありますし…。

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転輪疾走。水車小屋もあります。

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旧作アニメ「転輪疾走」冒頭でぐるぐるとまわっている芯棒がこちら。
オルゴールの基盤のように周囲の木組みを押し上げます。
柱の穴に杵を取り付け、床に置いた臼をつかせることで穀物を製粉します。

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里山の風景を守るために、電線や配管も地中に埋め込むという徹底ぶり。

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静かで居心地のよい場所でした。ぜひまた遊びに行きたいです。
食事処もついていますし、予約制にはなりますが、農業体験などもできるそうです。

初めての東北旅④に続きます。

 

初めての東北旅②青森県・青函連絡船

初めての東北旅①の続きです。

(2日目)
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸を再訪しました。

青函連絡船は、1908年から1988年までの80年間、青森と函館を結んでいた「鉄道連絡船」のことです。
1988年に青函トンネルが開通し、「鉄道連絡船」は終航。
現在は津軽海峡フェリー青函フェリーという船会社が、青森と函館間を結んでいます。

大きなカーフェリーを想像してください。
接岸した船尾から車ごと乗り込むわけですが、鉄道連絡船も同じように船尾部分が開きます。
陸路の線路に船をつけ、船倉(車両甲板)に敷かれたレールに沿ってそのまま列車を積み込んだ…と。
それが「鉄道連絡船」。船が通る航路そのものが、海を走る鉄道の一部というわけです。

展示施設となっている八甲田丸には、車両甲板が保存されています。

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雪丸
津軽海峡で遭遇した今は無き幽霊船。
白面の者に突撃した船として覚えている方も多いと思います。

そのモデルとなったのが、青函連絡船の洞爺丸です。
1954年9月26日。予想進路を外れた大型台風15号がもたらした風と海底の砂地をも崩す高波によって、函館湾で沈没しました。
その時の事故の様子が、「鎮魂海峡」の中で描写されています。
(函館にある青函連絡船記念館摩周丸では、当時のニュース映像と事故の詳細を見ることができます)

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5隻。と表示されている通り、この台風で十勝丸、日高丸、北見丸、第十一青函丸という船も函館湾で沈没しています。
最も被害の大きかった洞爺丸は、日本史上最大の海難事故として記録されています。

船内の展示品は様々で、青函トンネルの説明もありました。

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この図を見ると自然と、紫暮さんが思い浮かびますね。
第二十五章「時限鉄道」で、とらがトンネルを破壊した(正確には山魚の爆発でトンネルの一部が崩落した)時の。|ω`)

こうして実際に回ってみると、次のお話の舞台につながるヒントが隠されているように感じます。

青函連絡船内の備品などもありますが、特に驚いたのは車両甲板。
船倉につながる階段を下りると…。

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電車があります。

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これが船!
駅のようです。

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洞爺丸が被災した時は、この車両甲板から浸水しました。満たされた海水がボイラー室へまわり、火が落ちた船内は全て停電。復元力を失った船は大波を受けて横転し、船体の一部が海底に刺さりそのまま沈没してしまったそうです。
歩さんと寒戸さんが見た幻影のように、最後の最後まで戦い続けた乗務員の姿が浮かびます。

作中の乗務員の台詞、「全員意気軒昂」。あれは同じ台風で被災した十勝丸の記録の中にありました。
互いに声をかけ合いながら決してあきらめずに立ち向かう姿、その言葉を、作者は描こうとしたのでしょうね。
「鎮魂海峡」の中だけではなく、描かれたすべてが集束する。
うしおととらって凄いですね。

由来のある場所を訪れて、体感するのも楽しいですね。
物語の一端に触れる、思い出深い場所となりました。

初めての東北旅③ 遠野へ続きます。

初めての東北旅①青森県・アスパム

2016年9月某日。
人生初の東北地方は青森県となりました。
東京駅から東北新幹線新青森駅まで3時間と少し。
新青森駅から乗り継いで青森駅に向かいます。

青森県と言えばアスパム
うしおととら第十三章「お前は其処で乾いてゆけ」で、なまはげと戦った建物です。

正式名称は「青森観光物産館アスパム」。
青森県の頭文字「A」をイメージした建物で、1Fにはお土産店が、13Fには展望台があります。
夕日が沈むとライトアップされて緑色に輝きます。

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遠くからでもよく目立つ、大きなガラスのキラキラです。
中に入りたがっていたとらの気持ちがわかります。|ω`*)

1Fのエレベーター。

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夜を迎えた展望台。

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展望台西側の景色。

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見下ろすとわかるこの高さ。
片山さんと香上さんは、この高さから外壁に沿ってなまはげにタックルしたわけです。
潮君が破った窓はアスパムの正面東寄り。お二人が飛び出した窓は西側です。
なまはげは当初東側の壁に居ましたが、詩織ちゃんを助けた後の背景を見ると、西側の外観となっています)

アスパムの西側は青森港。
薄らと映る大きな船は、「青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸」です。

青函連絡船といえば、第十四章「鎮魂海峡」。
かつて国鉄の一部として貨物や人を運搬し、青森から函館間を結んでいたあの船です。

アスパムを出て右方向。海沿いの遊歩道・ラブリッジを歩いていくと八甲田丸に行きつきます。

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すでに閉館していたので、内覧は翌日に。
初めての東北旅② 青森県青函連絡船に続きます。

番外・湯前まんが美術館へ

藤田和日朗の世界。
熊本県球磨郡湯前町にある湯前まんが美術館という場所で、2016年7~9月の間、原画展が開催されました。
鬼気迫る白面戦の原稿を始め、うしおととら全集の裏表紙を飾る太陽と月のイラストや、からくりサーカス月光条例の名場面がそろっていました。
やはり原画は違いますね。
小説版の表紙絵2枚がとても美麗で、強く印象に残っています。
展示品は撮影不可のため、写真は建物外観だけです。

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西の海再訪②

西の海再訪①の続きです。

(2日目・夜)
波照間島から高速船で戻り、石垣島のナイトツアーへ。

日暮前に出会ったのはシロハラクイナ
写真が撮れる=動かない。
ぎりぎりまで飛ばずに走るため、交通事故が絶えないそうです。
島でレンタカーに乗る時は、ゆっくり走行してあげてください。
元々彼らが居た場所に人が道路をつくったわけで。
鎌鼬兄妹が偲ばれます。

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夕日を眺めていよいよ夜に。
「こほー」という声が聞こえたらそれはリュウキュウコノハズク。

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蛇や虫の写真もありますが、自重します。

ライトアップされたサガリバナと星を眺めてナイトツアーは終了。

 

(3日目)
石垣島から新城島へ。
定期船のない島なので、日帰りツアーを利用します。

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防水カメラの初仕事。
濁りのない綺麗な海。海の透明度はお天気次第。
サンゴの範囲も環境次第。
日本最大のサンゴ礁石垣島沖の石西礁湖。ですが。今は7割が死滅しているそうです…。
海水が流れる潮目を泳ぐと水温の違いが体感できます。


(4日目)
石垣島から西表島へ。
そして去年と同じツアー。終日海で過ごします。
引き込まれそうな海の青。

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立ち寄った浜辺は散策せず、船の上でご飯です。
「跡が残っていたよ」とガイドさん。
ウミガメの産卵を見るツアーはありません。それがよいと思う次第。
本来ウミガメは警戒心が強く、何度も海から頭を出して安全かどうかを見極めてから、浜に上がって卵を産みます。人が居る場所に上がってくるのは、そこしか産む場所がないからです。

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明日の早朝ツアーに備えて、西表島に泊ります。

 
(5日目)
ガリバナ鑑賞ツアー。
夜明け前。月が残るうちに出発です。
写真は夜明けを迎えたマングローブ
うしおととら第三十五章「満月」の世界です。(実際は、満月の少し前でしたけれど)
幅の広い川でしたが、カニマジムンは居ませんでした。

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川に沿って遡り、サガリバナを眺めます。

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お昼を頂き、ツアーは終了。
西表島から石垣島へ。
そして羽田空港へ。
此度の旅はこれにて終了。