うしとら旅巡り

旅と「うしおととら」が好き。

そういえば。日御碕

そういえば。日御碕のことを忘れていました。

うしおととら第四十一章「獣群復活」其の参 出現、の、字伏と紅煉が戦うシーン。
たった一コマですけれど「同刻 島根県日御碕沖合」と地名つきで出てきます。

2017年10月1日。
島根県を訪れた時に、日御碕にも立ち寄りました。

出発地はJR出雲駅。
駅前①番乗り場から、出雲大社・日御碕方面のバスが出ています。

一番上の終点ですね。

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バスに乗って60分。
日本海に面した島根県西端、日御碕(ひのみさき)に到着です。

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バス乗降場所から右手に向かうと、出雲日御碕灯台があります。
灯塔の高さは43.65m。日本で一番高いとか。
入場料を支払うと中に入ることができます。

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 日御碕は昔、日御碕神社が所有する神域だったそうです。
海難事故を防ぐため、灯台の建設地として土地を譲ってくれたのですね。

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灯台近くの崖っぷち。崖の高さは10~15mくらいでしょうか?
不思議と心が落ち着く場所です。
流紋岩が隆起した山が海に向かって沈み込み、波に浸食されて独特の地形を造りだしました。
四角柱が並んでいるように見えるこの岩は柱状節理と呼ばれており、作中の背景にも描かれています。

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海岸沿いには遊歩道があります。が。なぜか嫌な心地になって途中で引き返してしまいました。
山を挟んでもまだ遠い遥か彼方になりますが、猪目洞窟のことが脳裏に浮かんだせいでしょうか。

猪目洞窟。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
出雲は「神話の国」と呼ばれており、神話に縁を持つ場所があちらこちらに残っています。
亡き妻イザナミを呼び戻そうと、冥界に赴いたイザナギの話は日本神話として有名ですね。
彼の神は、黄泉と現世の境に岩を置き、追手と穴を封じました。
「黄泉比良坂」と呼ばれる遺構は別の場所にもありますが、この「猪目洞窟」もまた「冥界に通じる穴」なのです。

…冥界。岩。冥界の門。
何かご縁を感じますね。

出雲観光協会公式HPにも猪目洞窟の説明があります。

猪目洞窟|出雲観光ガイド【出雲観光協会公式ホームページ】

より詳しいのはこちらのサイト。(いずれも個人のものですが)

猪目洞窟(いのめどうくつ)

||| 猪目洞窟 --- 巨石巡礼 |||

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ターニングポイントとなった、出雲松島と呼ばれるところ。

海は暗いようで澄んでいて岩場が透けて見えました。

灯台に戻って今度は左手。看板に沿って遊歩道を行くと、経島が見えてきます。

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 不思議と明るく感じます。
経典を重ねたように見えることから「経島(ふみしま)」と呼ばれています。

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カメラでズームしてみると、小さな鳥居と社が見えます。
ここは日御碕神社の神域で、今でも上陸できるのは年に一度の神事に携わる神職の方だけなのだそうです。

実はこの経島沖には、海底遺跡が眠っています。
発見したのは地元のダイバーショップの方。平成12年のことですので、うしおととらとの関連性はありませんが…。
でも、わくわくしますよね。

有名な沖縄(与那国島)の海底遺跡は1986年に発見されたので、岩柱の大元はこちらからきたものかもしれません。

「さんいん旅ねっと」というサイトに、いくつか写真が載っていました。

日本海のダイビングスポット「日御碕」に海底遺跡か?(出雲市大社町)|さんいん出会い旅|さんいん旅ねっと(島根県・鳥取県の観光・地域情報満載)

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海を右手に望みながら更に道なりに歩いていくと、日御碕神社の裏手に出ました。
正面に回って参拝します。

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 由緒書きにもある通り、伊勢神宮が「日本の昼」を守る宮であるならば、ここは「日本の夜」を守る社。
御祭神は素戔嗚尊で、後に天照大神も祀られました。

日本の夜を守る。…夜から守る。

穿ちすぎかもしれませんが、「夜だ。この国に、おまえ達に!我が夜をもたらしてやるのだ!!」という白面の言葉が浮かびます。
日御碕(ひのみさき)が「日崎」なのかは作者のみぞ知るところ。

少々深読みが過ぎたところで、此度の旅はこれにて終了。

今夏もまた何事もなければ、西の海に行ってきます。

追記:出雲への行き方はいろいろあると思います。
東京発のサンライズ出雲を利用するのもよし。出雲縁結び空港まで空路で行ってみるのもよし。
自分は岡山乗換で特急やくもに乗りました。所要時間は片道8~10時間。